『【寄稿】米国の分断めぐる誤ったイメージ』(Wall Street Journal Japan),
2016年の選挙以来、米国は魅力のない2つの層に割れた分断国家だとするステレオタイプな見方が広まった。はく奪され、大抵は貧しく、怒りを抱えた農業地帯の住民と、独善的で満ち足り、ひどく鈍感な都市部のエリート層の対立という構図だ。
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こうした分断の物語には不穏な感じを受けるが、事実ではない。筆者は米地域社会調査(ACS)がまとめた5年間のデータ推計を使い、国勢調査対象の1万6732カ所の社会経済・人口構成データを研究した。
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結果は意外だった。学歴を除いた大半の基準で、小都市の家計の中央値は都市部と同じかそれを上回る傾向にあるのだ。
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米国の農業地帯には極度の貧困や慢性的な失業が存在する。しかし、こうした問題は都市にも存在する。地理的にも人口構成的にも満遍なく階級格差が存在する証拠だ。