『放射能モニタリング調査-原発事故後の対策に活用-(日本農民新聞連載「明日の元気な農業への注目の技術」より)』(農業環境技術研究所),
図に1959年からの米と土壌のセシウム137濃度の全国平均値を示しました(2011年は玄米と土壌の値のみ)。東京電力福島第一原子力発電所事故(東電原発事故)後、玄米と土壌のセシウム137の濃度は著しく高くなり、土壌の濃度は1960年代の大気圏内核実験の時期よりも高い値を示しました。しかし、玄米の放射能濃度はその時期よりも低く、玄米は土壌ほどに汚染されなかったことがわかります。これは、大気圏内核実験の時期には放射性セシウムが年間を通じて降下し、生育している稲の穂や葉が直接汚染されたのに対し、東電原発事故は田植え前の3月に起こったため、直接汚染が起こらずに、放射性物質が土壌から供給される間接汚染が主となったことによると考えられます。