『「自分は平均より優れている」と思う心の錯覚はなぜ生じるのか —脳内の生物学的仕組みを世界で初めて発見—』(放射線医学総合研究所),
多くの人が、自分は平均より優れていると思う傾向があります。例えば、知能や技能、望ましい性格などについて、平均的な人と比べてもらうと、多くの人が自分は平均より上だと錯覚することが心理学研究で示されています。
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今回研究者らは、優越の錯覚の程度を認知心理課題で測定し、脳にある線条体注2)のドーパミン受容体密度注3)と安静時の脳活動注4)を画像診断装置のPET注5)とfMRI注6)で計測しました。そして、これら3つの関係性を調べた結果、優越の錯覚の程度が大きい人ほど、行動や認知注7)を制御している「線条体と前頭葉注8)」の機能的結合が弱いこと、この機能的結合が、線条体におけるドーパミン受容体の密度に依存していることが分かりました。