『Adaptecという会社が消えた日』(元麻布春男の週刊PCホットライン),
当時使われていたPC/AT(実際には386 AT互換機)のディスクI/OはCPUによるPIOであり、I/OがCPUを専有する。これはシングルタスクのMS-DOSでは合理的で有効(どうせディスクI/Oが終わるまで、他になにもできない)だったが、UnixのようなマルチタスクOSでは、ディスクアクセス中に性能が低下してしまうため都合が悪い。私が初めて買ったPC/AT互換機にはAHA-1540Cが刺さっていた…
この問題の救世主的な存在となったのが、Adaptecの「AHA-1540」と「AHA-1542B」だった(後者はFDDコントローラ付)。AHA-154xは、ISAバスに対応したSCSIホストアダプタカード(拡張カード)だったが、カード上にバスマスタエンジンを持っており、データをDMAでメインメモリに転送することができた。つまり、ディスクI/OにCPUを利用せずに済むため、結果的にシステム性能が向上したのである。