『 「コンピューターと自分は一体」:実験で検証』(Wired Vision Japan),
Chemero氏の研究成果は、3月9日(米国時間)付でオープンアクセス誌『PLoS ONE』に掲載された。この実験は、ドイツの哲学者マルティン・ハイデッガーの基本概念の1つを検証する目的で行なわれた。代車でこれを実感する経験をしたところ…
人間は、扱い慣れた、正しく機能している道具については特別に意識せず、道具の向こうを「透かし見る」ようにして、目の前の課題に意識を向けるものだ、とハイデッガーは唱えた。それはちょうど、靴ひもを結ぶのにいちいち自分の指を意識しないのと同じ理屈だ。すなわち、道具はわれわれ自身なのだと。
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この結果は、人間が道具と融合することを示している、とChemero氏は述べる。
「思考を行なっているものとは、生物学的な身体よりも大きな範囲なのだ」とChemero氏は述べる。「人間は、自分が扱う道具と非常に密接に結合しており、道具は、思考し行動するものとしての人間の一部となっている」