FreeBSDのports/japanese/acroread8で日本語のゴシック体(GothicBBB-Medium)をきちんと表示するためのメモ.
背景
ports/japanese/teTeXなどで作成したDVIファイルをports/print/dvipdfmxでPDFに変換すると,日本語の明朝体のフォントとしてRyumin-Lightが,ゴシック体のフォントとしてGothicBBB-Mediumが,それぞれ指定される1. Adobe Readerはこれらの日本語フォントを実際に画面に表示する際にOpenTypeフォント(OTF)を用いるのだが,Adobe Reader 8の日本語版パッケージには明朝体のフォントだけしか含まれていない. また,Linux版のAdobe Reader 8用アジア・拡張言語フォントパックにも,ゴシック体のフォントは含まれていない. このため,Adobe Reader 8で日本語を含む文書を表示すると,ゴシック体であるはずの部分2が明朝体で表示されてしまうことがある.
対応策
原因はゴシック体のOTFファイルが存在しないことにあるので,どこかからゴシック体のフォントを持ってこれば良い. 幸運なことにLinux版のAdobe Reader 7用のアジア・拡張言語フォントパックには,日本語のゴシック体のOTFファイルが含まれており,以下のような手順でこれを流用することができる.
- 「Adobe Readerのアジア・拡張言語フォントパック」のページより,Linux版のAdobe Reader 7用日本語フォントパックをダウンロードする3.
- ダウンロードしたフォントパックを展開する.これで,JPNKITディレクトリが作成される.JPNKITディレクトリにあるLANGJPN.TARを展開する.作成されるCIDFontディレクトリには,KozGoPro-Medium.otfとKozMinProVI-Regular.otfの2つのファイルが存在する.
- KozGoPro-Medium.otfが日本語ゴシック体のOTFファイルなので,これを/usr/local/Adobe/Reader8/JPN/Adobe/Reader8/Resource/CIDFont/ディレクトリにコピーする.
これらの作業の後,Adobe Reader 8を再起動すれば日本語のゴシック体がきちんと表示されるようになる…