今年はゼミ生がかなりいるせいなのか,某先生からゼミ生を被験者にした実験をやったほうが良いと何回も言われている1. 実験をやるのはやぶさかではないのだけど,『言語研究の方法 — 言語学・日本語学・日本語教育学に携わる人のために』(J. V. Neustupny. 宮崎 里司[編]. くろしお出版, 2002)にあるように,
時々,学生が充分な準備をしないで,調査にでかけることがあるが,これは対象者を軽視し,迷惑をかける行為であるので,つつしむべきである.完璧に準備するまでは,調査をしないという心構えが必要である.(p.37)
アンケートでも構造化インタビューでも,質問文の作成と回答形式の選択が重要になる.質問文はだれが読んでも誤解や解釈の違いがないように,1つの質問文に複数の論点を入れないなどの最新の注意を払う必要がある(大谷他 1999).(p.127)
と私も思うので,とにかく思い付いた手法で一回実験してみれば良いという気にはなれない. きちんとした心理学的な実験手法(と分析方法)を専門的に学んだことがない私から見ても,それはまずいだろうという実験・調査を卒論(修論)発表でかなり見てしまったせいかも知れないけど…
私だけでなく某氏も… ↩︎