Targeted Attack

『これが標的型攻撃の実態だ』(@IT),メールの差出人として、ある官公庁の人物とメールアドレスが記載されています。そしてメール本文は、おそらく、実際にある組織間でやり取りされている本当の文面をコピーしたのではないかと推測しています。 つまり、ある組織のパソコンに感染したマルウェアがメールの本文や添付ファイルを盗み出し、それを悪用してメールを送信している可能性が高いと考えられます。実在する人物を名乗って、本物の文面で送られてくるメールを、それに関係する組織が受信してしまえば、添付ファイルを開く確率はぐっと高くなるでしょう。 (snip) 今回の標的型メール攻撃の対応を通して一番悩んだことは、「どの範囲まで情報共有や注意喚起をすればいいのか?」ということでした。 今回の標的型メールは、JSOCと直接契約関係にあるお客様から送られたものではありませんから、契約上はメールの中身についての保護義務はありません。とはいえ、メールの本文や送信者名を騙られた方にとっては、保護すべき情報が含まれています。「このような文面でメールが来ているから気を付けてください」と注意喚起を行うことは、その組織の機密情報を外部に公開してしまうことになります。

June 15, 2011 · Ryusuke KIKUCHI <ryusuke.kikuchi@gmail.com>