緊急地震速報

『緊急地震速報』(無線にゃん),先ほども書いたとおり、この緊急地震速報に関するシステム、実質日本独自です。そしてこれらの方式は標準上は「オプション」扱い。つまり、対応してもしなくてもいいですよ、と言う対象です。そりゃ極東の島国のために世界中のベンダが汗をかくのも変な話ですからね。 そんなわけで、当然ながら、海外の一般ベンダから買ってきたような基地局は、この機能に対応していません。もちろん、それを制御する制御局(RNC)も非対応です。そのため、海外からありものを買ってくるだけと言う基本方針だったソフトバンクは最後の最後までこのサービスに対応できずにいました。一方、自社開発が基本のドコモとauはいち早くこのサービスを実現できています。 (snip) 基本的にこういう機能は無線インターフェースチップ上に実装されていなければなりませんが、一般的なグローバルベンダはコストを増やすだけのこういう機能は入れません。もっとはっきり言っちゃうと、3GPPの文化では「オプション機能」は「だれも対応しない」と同義です(言葉のあやとかじゃなくて本当にそう)。ソフトバンクは原則、チップも海外のありものを調達してくるだけなので、対応した端末を作れないのです。一方、ドコモはチップを自社開発していますし、auは文化の違う3GPP2でなおかつQUALCOMMチップであるため、QUALCOMMが「入れます」と行った段階で全端末が対応可能になっています。

April 7, 2011 · Ryusuke KIKUCHI <ryusuke.kikuchi@gmail.com>